リハビリテーション

断端の形が整ったら義手についても詳しく覚えていきます。
医療チームから、義手の取り扱い方法や、断端のケアについて説明を受けます。さらに義手を使ったリハビリテーションも開始されます。

リハビリテーション

義手の種類には主に、能動義手、筋電電動義手、ハイブリッドシステムがあります。

能動義手

ハーネスを操作することで義手を動かすシステムです。
強い筋力でケーブルを引く事によって、ハンドやフックを開いたり閉じたり、肘継手を操作します。

筋電電動義手

筋電電動義手は、筋肉を動かす際に発生する自然のシグナル(表面筋電位)を利用します。
この表面筋電位を電極で採取し増幅させることで、ハンドの開閉など様々な操作を行うことが出来ます。
バッテリーはハンドなどのモーターを動かすために使用します。

ハイブリッドシステム

ハイブリッドシステムは、能動義手と筋電電動義手の両方の機能を組み合わせています。
通常、ハンドや手継手は筋電電動義手の操作方法で行い、肘の操作を能動義手の操作方法で行う義手です。


義肢装具士との関わり

義肢装具士は、仮義手適合の前に個々のニーズや希望に応えられるよう、幾つかの質問をします。その上で義手選択のオプションを提案し、皆様と相談します。

義手の適合

断端の傷が完治し、断端が成熟したら、仮義手の適合が始まります。手術後およそ6週間後になります。

義手製作に際して、石膏で断端の採型を行います。これにより正確な断端の形状を得ることができます。これを元にテストソケットを製作します。テストソケットとは仮のソケットで、断端に合わせて調整を行っていきます。
テストソケットには一般的に透明なプラスチックを使用します。このプラスチックは、加工が簡単なため細かい部分の調整も可能です。また透明なので断端に圧迫がないかなど、断端の状態を確認しやすいです。

ソケットの適合は非常に重要です。
靴を想像してみてください。適合が悪いと何枚靴下を履いても歩く時に痛みがあったり支障がでます。

ソケットが個々の断端の形状に適合できたら、本義手のためにカーボン素材などでソケットを完成させ、様々な義手用の部品が取り付けられます。


義手を使った訓練

リハビリテーションの目標は、可能な限りの可動性と独立性を得ることです。

セラピストは装着者が義手の正しい使い方を覚えるのを助けてくれます。これには義手の着脱などが含まれています。その後、義手の操作訓練、繰返し練習を行い、最終的には日常生活動作の訓練を行います。

義手の着脱

自身で義手の着脱が正しく行えることは、重要な毎日の仕事です。初めは家族や友人の助けが必要かもしれません。しかしながら、最終的には自分自身で着脱が出来るようになる必要があります。

義手の種類や断端の状況によって装着方法は異なります。セラピストが適切な装着方法を教えてくれます。

義手のお手入れ

毎日義手はお手入れを行ってください。ソケット内部は湿ったタオルで汗や汚れを拭きとってください。
断端の炎症を防ぐためにも、断端に触れる部分は清潔に保ってください。ライナーを使用している場合は、ライナーのお手入れ方法に従い、清潔に保ってください。

筋電電動義手を使用している場合は、バッテリーの充電を忘れずに行ってください。

義手の操作訓練

義手の種類ごとに、ハンドなど手先具の開閉方法や手首の回旋方法などを教えてもらいます。
切断レベルによっては、肘継手を曲げ伸ばし方法や肩継手の使い方も教えてもらいます。

繰返し練習

いくつかの動作パターンを練習します。操作をよりリラックスして行えるようになり、そしてより自動的に行えるようになります。
繰返し練習を行うことで、考えるのではなく自然な動作として行うことが出来るようになります。

向きを変化させたペグボードゲームなど、道具を使った訓練も有効です。これらは、つまみ動作やハンドの回旋を、意図的に行う必要があるためです。

日常生活動作

繰返し練習の後は、日常生活で遭遇する、より複雑な動作を練習していきます。
セラピストは、皆様の最終目標や、生活環境に合わせた練習内容を組み立ててくれるでしょう。

タオルを持ったりといったシンプルな動作から始めます。
続いて、食事の準備をしたり、ナイフやフォークを使って食事をしたり、ご自身のやり方を徐々に増やしていきます。
日常生活動作の練習は、服の脱ぎ着も含まれます。他にもボトルの蓋を開けたり、飲み物を注いだり、パソコンを使う練習なども含まれます。


追加の治療に役立つ対策

補助具の相談

もし、現在の義手で生活動作がやりにくい場合、補助具を使うことで、自立した生活をサポートしてくれるでしょう。セラピストが適しているかどうか教えてくれます。

しかしながら全ての補助具には”less is more”ルールがあります。
いくつかの補助具は日々の自立した生活をさらにサポートしてくれます。もし家の中で、数多くの補助具を使った場合、それらのない家の外では、通常の動作が非常に難しいものになってしまいます。


レジャーとスポーツ

もちろん、義手が身体的に適合することも大事です、そして義手はスポーツやレジャーへの参加を手助けしてくれます。
義手を最大限に活用するための方法をセラピストと相談してください。


はじめての義手