筋電電動義手マイオボック成人用 (完成用部品)

筋電電動義手とは

1. 筋電電動義手とは

筋電(表面筋電位)とは、脳の命令により筋肉が収縮する際に発生する微弱な電流のことです。
筋電電動義手では、この筋電を専用の「電極」で採取し、モーターを動かすスイッチとして利用します。
モーターが動くことでハンドが開閉し物を「つかむ」「離す」という把持動作をすることができるようになります。

これが筋電電動義手の仕組みです。

通常、筋電を採取する電極は「開く」と「閉じる」のスイッチ用にそれぞれ1個ずつ、合計2個使用します。
筋電が1か所しか採取できない場合は、スイッチと併用することも可能です。

2. 構成パーツ

筋電を採取する「電極」と、モーターを動かす「電池」、そして開閉する「ハンド」が主な構成パーツです。


機能と特徴

1. 作業空間を選ばない

ケーブル操作でハンドを開閉する能動義手と異なり、作業空間を選びません。
頭の上、身体の横や後方でも、ハンドの開閉を行うことが出来ます。

例えば、洗濯物を干したり、ポスターを貼ったり、靴下を履いたり、両手動作でできることの幅が広がります。

2. 強い把持力

最大10kgの把持力が備わっています。そのため、重量のあるもの、薄いものをしっかり掴む動作が非常に得意です。
例えば、ナイフとフォークをもって食事をしたり、ズボンを履いたり、布団をたたんだり、生活の中でできることが増えるのではないでしょうか。
能動義手や装飾義手では出来なかった事ができるようになったり、生活の幅が広がります。

※把持力はハンドの種類で異なります。

3. 開閉スピード

最大1秒間に30cmのスピードで開閉することができます。
そのため、開閉操作においてストレスなく反応してくれます。

また開閉スピードを変化させることも出来ます。
筋電の出し方で、ゆっくり開閉、素早く開閉を使い分ける事ができます。
ゆっくり開閉できることで、卵やペットボトルといった柔らかいもの、壊れやすい物もつかむことが出来ます。

※開閉スピード、スピード変化の操作はハンドの種類で異なります。

4. 開閉の仕組み

ハンドは決められた大きさ(個別に設定)の筋電の検知をスイッチとして開閉します。
例えば、ハンドを閉じた状態でリラックスしても、スイッチとして設定したレベルの筋電を検知しない限り、ハンドが勝手に開くことはありません。

確実に把持したまま離さないようにするために、ハンド本体の電源スイッチを使用することも出来ます。

※スイッチはハンドの種類で異なります。

魅力

「作業空間を選ばない」、「強い把持力」といった特徴を使いこなせるようになると、日常的に起こりうる様々な動作ができるようになります。
ご自身の生活の中で何ができるようになるか、ぜひ参考にしてみてください。

1. 大きめの布をたたむ

重量のある物でもしっかり掴むことができ、身体のどの位置でも操作することができます。

2. 卵を割る

開閉スピードを使い分けることで、壊れやすい物でも安心して掴むことができます。

3. 靴下を履く

ハンドの形状が布を傷めることもありません。

4. 靴紐を結ぶ

細く薄い物でもしっかりと掴み、そのまま保持することができます。

5. 体の後方での操作

練習を重ねると、目視できない場所での操作もできるようになります。

ハンドの種類

機能や用途に合わせたハンドや作業用手先具はもちろん切断レベルに合わせたパーツを数多く取り揃えています。

8E38 ハンド (完成用部品)

一般的なハンドタイプ。
開閉スピードが速いタイプはこちらのハンドになります。

8E44+10V38 屈曲リスト付きハンド (完成用部品)

手首が掌屈・背屈し、特定の角度でロックします。
代償運動(体の他の部分で動きを代償する事)が軽減されます。

8E44 手部部分切断用 (完成用部品)

断端が長い手部部分切断の方でも、筋電電動義手を使用することが可能です。

8E33 作業用グライファー (完成用部品)

作業用グライファーは、一般のハンドと異なり、指先が平行に開きます。把持面積も広いのが特徴です。
そのため、作業において太い角材や、分厚いパイプなども、しっかり挟むことが出来ます。
把持力も一般的なハンドよりも強いです。

<特徴>

最大開き幅 : 95mm

手首屈曲角 : 45°づつ計90° ※任意の角度で固定することはできません。

最大把持力 : 16kg

物を保持したまま絶対に開かないように、スイッチも備わっています。

その他のパーツ

10S17+13E205 リストローテーター (完成用部品)

リスト部分も筋電操作で回旋させたい場合に使用します。

12K44 エルゴアーム (完成用部品)

筋電電動義手用の肘継手です。

<特徴>
①電気ケーブル内蔵
・電極やバッテリーのケーブルが義手の外側に出ません。
・そのため、外観が良く、断線の心配も少なくなります。

②屈曲補助装置内蔵(AFB)
・肘を伸ばした時の屈曲補助機能は弱いため、歩行時に自然な腕の振りを実現します。
・少ない力で肘を曲げることが出来ます。また曲げた位置で保持する事ができます。
・健側で押すか、振り下ろすことで肘を伸ばすことができます。

③ 肘のロック機能
・固定したい角度で、完全にロックすることが出来ます。

9X14 / 9X18 / 9X25 スイッチ (完成用部品)

筋電位信号の検出や2か所の分離が困難な場合、スイッチで動かしたり、電極とスイッチを併用して操作することができます。

保証・修理

修理・メンテナンス

オットーボックの筋電電動義手(マイオボック)は、日本で修理することができます。
またその間の代替え品もご用意いたしますので、安心してお使いいただけます。


保証:安心してお使い頂くために

製品 製品
8E38、8E39、8E44 ハンド 3年
8E33 作業用グライファー 3年
10V38 屈曲リスト 3年
10S17 リストローテーター 3年
12K44 エルゴアーム 3年
電極、バッテリー、ケーブル類、充電器 など 1年

  • 弊社から製品が納品された日から上記期間中に故障が発生した場合には、無償修理いたします。
  • 保証期間内であっても、取扱説明書に記載の注意事項が守られていない、過失、活動度の変化(過負荷)、天災地変による場合などは有償修理となります。また、破損状況によっては修理をお受けできない場合もあります。
  • オットーボック社が推奨していない部品の組み合わせや、使用方法などが原因による故障については保証をいたしかねます。
  • 故障や不調を感じられた際は、まず担当の義肢製作施設にご連絡ください。

FAQ

  • 筋電電動義手を試してみることはできますか?

    はい、お試しいただけます。
    担当の義肢装具製作所または医療機関にお問合せください。

  • 装着したらすぐ使えるようになりますか?

    いいえ。
    操作はシンプルですので多くの方が短期間でハンドの開閉操作ができるようになります。しかし義手を使っての両手動作を確立するためには訓練が必要です。
    訓練の方法や期間は、使用するパーツやユーザーさんの状態によってそれぞれ異なります。
    詳しくは担当の義肢装具製作所または医療機関にお問合せください。

  • 水場で使用できますか?

    いいえ。
    電気機器パーツが水に濡れると故障につながります。また保証対象外となる可能性がありますので、ご注意ください。
    装飾用グローブが被っている部分は、水に濡れても問題ありませんが、穴が開いていない事などを必ず確認してからお使いください。

  • 保管時の注意事項はありますか?

    ハンドの指先は2cm~3cm開けた状態で保管してください。閉じた状態で保管すると、余分な力が指先にかかり破損につながります。
    ハンドを交換する際は、必ずバッテリーを外してから行ってください。ハンドの電子回路の故障に繋がる可能性があります。
    詳しくは、担当の義肢装具士にお問合せください。

  • 充電は必要ですか?

    はい。
    バッテリーを専用の充電器にて充電をしてください。約3時間~3時間半で満充電になります。

  • 公費で支給されますか?

    障害者総合支援法において、特例補装具として取扱われています。
    しかしながら、支給の判断はユーザーの方一人一人の状況によって異なりますので、担当の義肢装具製作施設にご相談ください。

    労災保険の外科後処置において、両側上肢切断だけでなく、片側上肢切断の方にも支給が認められています。
    詳しくは、担当の義肢装具製作施設にご相談ください。

    労災支給に関する詳細は【厚生労働省ホームページ】を参照ください。
    ・支給対象者 ⇒ p.3
    ・筋電電動義手の購入費用支給の流れ ⇒ p.16
    ・筋電電動義手の装着訓練、適合判定 ⇒ p.18

    <参考>「筋電電動義手」の装着訓練を行う医療機関となるための手続きのご案内【厚生労働省ホームページ


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