2020年9月15日(火曜日)
MedUni Viennaとオットーボックが研究開発の功績でCDG賞を受賞

オーストリアの Christian Doppler Research Society(クリスチャン・ドップラー研究所:以下、CDG) の創設25周年の年に研究開発の功績に対して贈られるCDG賞が初めて授与されました。

記者会見にて、オーストリアのデジタル・ビジネス連邦大臣であるDr Margarete Schramböckは、Medical University of ViennaのProf Dr Oskar Aszmann とオットーボックのCTO、 Dr Andreas Goppelt の両名がCDG賞を受賞したと発表しました。2012年から2019年にかけて両者は、手の動きを直感的にコントロールする神経と筋肉の機能と位置について共同研究をしてきました。

8つの電極を使用して前腕の筋肉の動きのパターンを読み取り、このパターンに合わせて手や手首の動きを選び、義手の操作を行う技術が MyoPlus (マイオプラス)と呼ばれる義手システムに使用されています。装着者が水の入ったボトルに手を伸ばした時に、MyoPlusは認識している動作のパターンから対応する動きを選別し、義手に相応した手の開閉や手首の回転の動きをするように指示します。この動作は瞬時に自動的に行われます。オットーボックでは2019年から MyoPlus にこのパターン認識を導入し、ユーザーの皆様に提供しています(日本での MyoPlus の導入時期は未定です)。

連邦大臣は実際にこの義手を体験しました。オットーボックの社員でありパラリンピアンでもあった Patrick Mayrhofer(パトリック マイルホーフェル)が、大臣の腕に電極を付け、筋肉を動かして筋電義手を動かす方法を説明しました。また、パトリックが毎日の生活で義手をどんな風に使用しているのか、彼の子供たちが義手をどのように思っているのかも話しました。

パトリックは2008年に電気事故にあい、左腕を切断しました。MedUni Vienna のProf Aszmann が人間の手に可能な限り近づけた筋電義手「ミケランジェロ」を世界で初めてパトリックに装着しました。

9月11日に開催されたCDG授賞式にてトロフィーを手渡した連邦大臣、Dr. Schramböckは「長期間にわたるビジネスと科学の共同作業は、オーストリアが国際的な技術革新のリーダーとなる歩みに貢献し、ビジネスの拠点として注目されることになりました。」と力説しています。

「CDGが25年間オーストリアの科学と技術革新をサポートしてきてくれたことにお礼を申し上げます。オットーボックの長年のパートナーであるMedUni Vienna の Prof Aszmannと共に研究開発の功績でCDG賞を受賞できたことを大変嬉しく思っています。基礎科学研究は弊社のような技術革新を進めている会社にとってはとても重要です。生物学的メカニズムの基礎は筋電義手におけるMyoPlus のパターン認識や、末梢神経の支配筋を変更するTargeted Muscle Reinnervation (TMR:標的化筋肉再神経分布)のような新しいコンセプトや製品の開発のもとになっています。オットーボックのウイーン支社はCDGの研究室と連携を取ってきました。CDGは、多くの投資を必要とせず経済的リスクを抑えながら新しい試みを追求するという理想的な機会を提供してくれています。」とオットーボック社のCTO、Dr Andreas Goppelt は授賞式でお礼を述べています。

「CDGの創立25周年をお祝い申し上げます。研究開発の功績でCDG賞を受賞できましたことを大変嬉しく思います。CDGとの長きにわたる共同研究は産学連携による成功を示しています。この共同研究が自由に動くことを制限された人々に、再び動きを取り戻すことや運動機能を維持する機会を与えてくれました。これは弊社のDNAと今後の方針にしっかりと根付いていることでもあります。引き続きCDGと共に邁進してまいりたいと思います。」とオットーボックのCEOであるPhilipp Schulte-Noelleも感謝の言葉を述べています。

クリスチャン・ドップラー研究所:
1995年に科学と産業の共同研究を促進するためにオーストリアで設立されました。400以上の企業が基礎研究や製品 / 技術の開発面で恩恵を受けているだけでなく、オーストリアが科学、技術開発のビジネス拠点として注目されることに多大な貢献を果たしています。