Heinrich Popow(ハインリッヒ ポポフ)
Heinrich Popow(ハインリッヒ ポポフ)のモットーは「立ち止まらずに前に踏みだすこと」です。
9歳の時、骨肉腫による足の切断をひかえた彼のもとに、一人の男性が見舞いにきます。彼は「また、何でもできるようになるよ。ただ他の人より少しだけ努力しないといけないけどね。」と言うと、ズボンのすそをたくし上げ、ハインリッヒに自分の義足を見せました。彼はパラサイクリングのインディビジュアルタイムトライアル1990年のドイツチャンピオン、Arno Becker(アルノ ベッカー)でした。
ハインリッヒは常にこう言っています「私は障害があるにも関わらずスポーツをするのではありません。障害があるからスポーツをするのです。スポーツのお陰で、毎日の生活においても障害を感じることがありません。」
ポポフ選手には、オットーボック社の開発チームと常に連携を取ることで得た多くの経験があります。義肢装具士の資格も取得しました。彼の選手としての経験や知識は、競技で使用する義足だけでなく、レクリエーション用や日常用義足の開発に多大な影響を与えています。
ポポフ選手は多くの人にスポーツを楽しんでもらいたいと願い、世界を飛び回ってランニングクリニックを行っています。ランニングクリニックでは義足を使いこなす技術だけでなく、精神面でも参加者の手本となっています。
学校から依頼を受けて体育の授業に参加したり、ドイツ国内の病院と連携をとり、切断手術を控えている子供たちを訪問することもあります。アルノ ベッカーが彼にしてくれたように、今度は彼が子供たちに希望を与えています。
2018年に引退後、2019年からは、パラ陸上日本代表チームのコーチとして、東京2020パラリンピックを目指す日本のトップアスリート達を指導するなど、活躍を続けています。
主な成績
パラリンピック | IPC 世界パラ陸上競技大会 | |
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リオ 2016 | ロンドン 2012 | |
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北京 2008 | アテネ 2004 | |
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国籍: ドイツ
生誕: 1983年
競技: 陸上 (100 m, 200 m, 走幅跳)
障害クラス: T42 (現T63)
自己ベスト:
100 m: 12.11 秒 (現世界記録)
200 m: 25.90 秒
走幅跳: 6.77 m
コーチ: Karl-Heinz Düe
所属クラブ: TSV Bayer 04 Leverkusen
競技ハイライト成績: ロンドン2012 100m 金、リオデジャネイロ2016 走幅跳 金(パラリンピック記録)
使用機器:
3S80(スポーツ用膝継手)、1E91(スポーツ用足部)を競技で使用。
ジニウムX3(コンピューター制御膝継手)を日常用義足として使用。