ランニングクリニック2015
ロンドンパラリンピック金メダリストと一緒に走ろう !
熱意ある12名の皆様にご参加いただき、大盛況、大感動の内に終了しました。ご参加・ご見学いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。
2015年8月21日から23日の3日間にわたり、日本大学文理学部キャンパス(東京)において、多くの大腿切断者の方にスポーツを体験する機会を持っていただくことを目的に、パラリンピックのメダリストを指導者に迎えて「ランニングクリニック」を開催しました。
ランニングクリニックの3日間の様子をビデオでご覧ください。
今回、日本ではじめて開催された「ランニングクリニック」には、2人のパラリンピックメダリスト、ハインリッヒ・ポポフ選手、山本篤選手を講師に迎え、10代から50代までと幅広い年齢層、ランニング初心者から、競技大会に参加している経験者まで、さまざまな活動レベルの12名のユーザーの皆様にご参加いただきました。2日目からは、トライアスロン競技で活躍されている選手も参加されました。
また、3日間のクリニックには、参加者の関係者、見学者、報道関係者の皆様にもご来場いただきました。ドクター、セラピスト、義肢装具士など、参加者の関係者の皆様には、3日間を通し、様々なサポートをいただきました。
2人のメダリストのフレンドリーかつ熱意あふれる指導のもと、モチベーションの高い参加者の皆様が積極的に取り組む姿に、今回のランニングクリニックに関わった全ての人々が勇気と感動をいただいた3日間となりました。
スケジュール&フォトギャラリー
8月21日(金)1日目:義足の装着と調整/歩行からランニングの初歩まで
義足の装着と調整/歩行からランニングの初歩まで
午前:教室
1)オリエンテーション
2)セミナー (講師の自己紹介・スポーツとの出会い・クリニックの目的 など)
3)参加者自己紹介(クリニックに期待することなど)
4)個人目標の設定
午後:体育館
1)ソケットの状態、健康状態、切断原因と使用義足に関する確認
2)スポーツ用義足の装着と調整
3)最初の一歩、スポーツ用義足の感覚になれる(歩行からランニングまで)
Day1 AM フォト
午前:それぞれの「走ることへの思い」を胸に全員集合!!
Day1 PM フォト
先ずは義足の調整から。 かき氷で一陣の涼を・・・・!!
8月22日(土)2日目:歩行とランニングクリニック(フィジカルトレーニング、球技などを通してスポーツ用義足に慣れる)
午前: 体育館
1)バスケットボール(楽しみながらスポーツ義足になれる)
2)基礎トレーニング(ストレッチ)
3)姿勢、義足の位置、義足の動かし方の修正
午後:陸上競技場
1)サッカー(楽しみながらスポーツ義足になれる)
2)基礎トレーニング(ストレッチ/筋力トレーニング)
3)ランニングトレーニング
Day2 AM フォト
バスケットボールも交えて楽しくトレーニング
Day2 PM フォト
いよいよトラックです。とにかく暑い!!それでもみんな走るのが大好きです。
8月23日(日) 3日目:ランニングトレーニングとまとめ
午前:陸上競技場
1)基礎トレーニング(ストレッチ/筋力トレーニング)
2)本格的なランニングトレーニング
午後:教室
1) まとめ、質疑応答
2) 修了式
Day3 AM フォト
最終日ともなればみんなすっかり仲良し。
Day3 PM フォト
感動の修了式。プレスカンファレンスにも出席。あっという間の3日間でした。
参加者の声
参加された義足ユーザーの皆様からは以下のように多数のコメントをいただきました。
- 今回初めてスポーツ義足(板バネ)を履いたが、私生活で使う義足と全く違い、地面をけった時に跳ね返ってくるのが新しい感覚でした。また、野球をやっていますが、今まで走るのは代走の人にやってもらっていたのが、これからは自分で全てできるのかなという可能性を感じました。
- 今まで目で見て理解していたことを言葉でも徹底的に教えていただいたので、頭でも理解できるようになりました。
- 周りに大腿切断の人がいなくて歩行も独学だったので、今回は良い機会でした。走るのは特別な人だけだと思っていたけれど、誰でも走れることが分かり、動画だけでは分からなかったことを教えていただけました。
- 1人1人、とても丁寧に教えていただけて、本当によかったです。健足の使い方が今までの意識と違って刺激になりました。絶対結果に繋がると思いました。また、一人ひとりへのアライメント調整が良かったです。調整後は、板バネで走りやすくなり。9月大会での自己ベスト更新が楽しみとなりました。
- 海外の選手は感覚で走っていると思っていましたが、ポポフ選手は非常に理論的で驚きました。とても理にかなっていて分かり易かったです。
- ポポフ選手との距離が近くて、直接質問できたり、指導してくれたのが印象に残りました。
- ポポフ選手は言葉だけでなく、悪い見本もその場で見せてくれ、英語があまりわからなくても充分通じるように指導してくれた点が非常に良かった。
- 山本選手がポポフ選手の指導を的確に通訳してくれて、良く分かりました。
- 山本選手にはアライメント等を個々に合うようにセッティングしてくれた上で歩行の仕方を教えていただけました。また、隣りで細かく熱心に指導してくれる点が良かったです。
- 基礎が大切だと言う事を教えていただき、大切な事をメモるという山本選手の言葉が印象に残っています。ありがとうございました。
- ランニングの基礎と言えば走るための練習をするものだと思っていましたが、走る動作以外の事を同時に行うバスケットやサッカーを取り入れて、義足のコントロールを頭で考えるのでは無く、体が自然の動作として行えるようになることを学ばせてもらいました。
- ポポフ選手の「走る事は簡単です!」という言葉が響きました。走ることで大事なのは、基礎となる土台(身体)がしっかり出来ていなければ、いくら走っても駄目だという事に気がつかされ、特殊な事をするのでは無く基本の動作の繰り返しと、一般的な体幹トレーニングの繰り返しが一番大事という事を再認識させてもらいました。
- ポポフ選手は、サービス精神豊富で指導方法も面白くそれでいて大変分かりやすく、参加者一人一人の癖を見抜く洞察力、豊富な知識に驚かされました。
- 日本を代表する山本選手の指導方法も的確で、厳しく教えてもらえました。ポポフ選手と同じことを言っていたことに、世界を舞台に戦う者同士通じることがあるんだと感じさせられました。
- メダリストに会えたのがとても良かったです。日常生活に役に立つトレーニングを教えてもらえたので、続けて行きたいです。
- 今後も是非継続して開催して欲しいです。初めて走る方にも沢山参加していただきたいと思いますし、私もお声かけしたいと思います。
- 新しい義足で走らせていただき、走ることが楽しいと感じるようになりました。経験のある方、選手に指導していただくのはとても分かりやすかったです。3日間ありがとうございました。また機会があれば、ぜひ、参加させてほしいです。
- 美味しい昼食をいただき、飲み物もたくさんいただきました。かき氷もおいしかったです!何かあればすぐに対応していただき、移動なども困りませんでした。皆さんにすごく気を使っていただきうれしかったです。
開催概要
開催日: 2015 年8 月21 日(金曜日)~ 8 月23 日(日曜日)
開催場所:日本大学文理学部・陸上競技場 (世田谷)(www.chs.nihon-u.ac.jp)
指導者:
ハインリッヒ ポポフ 選手
ロンドンパラリンピック100 メートル:クラスT42 金メダリスト、オットーボックアンバサダー
山本 篤 選手
北京パラリンピック 走幅跳:クラスT42/44 銀メダリスト、2013 年世界選手権 走幅跳:クラスT42 金メダリスト
主催:オットーボック・ジャパン株式会社
共催:一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟
協力団体: 日本大学 / 公益財団法人 日本陸上競技連盟
後援団体: ドイツ連邦共和国大使館 / 在日ドイツ商工会議所 / ポルシェ ジャパン株式会社
スポーツ・フォー・トゥモロー認定事業
指導者プロフィール
ハインリッヒ ポポフ 選手
- 9歳の時に骨肉種で大腿切断。切断前にドイツの義足のパラリンピアンから、切断しても再びスポーツをすることができると勇気づけられ、切断後もスポーツを続ける。
- 現在はドイツのプロサッカーチームのIT オフィサー
- ドイツ国内だけでなく、切断手術を控えている患者へのカウンセリング、学校の体育の授業に招かれたりと障がい者スポーツの啓蒙活動も行う。
- オットーボックのアンバサダーとしてスポーツ義足の開発をサポートをしたり、ランニングクリニックの指導者として、各国を飛び回っている。
- モットーは「立ち止まらずに前に踏み出すこと」
主な成績
2013 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル(T42クラス):1 位
2012 年 ロンドンパラリンピック 100 メートル(T42クラス):1 位
2011 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル(T42クラス):1 位、走幅跳( F42):1 位
2008 年 北京パラリンピック 100 メートル(T42クラス):2 位
2004 年 アテネパラリンピック100 メートル(T42クラス):3 位
※ 上記のプロフィールは2015年現在のものです。
山本 篤 選手
プロフィール
- 17 歳の時にバイク事故で大腿切断。日本聴能言語福祉学院で義肢装具士を目指して勉学中に、陸上競技に出会う。
- 義肢装具士としての国家資格を取得後も、パラリンピックを目標に陸上競技を続けることを決め、大阪体育大学体育学部に入学。
- 北京パラリンピックにて走り幅跳びで銀メダルを獲得し、日本パラリンピック陸上界の義足選手初のメダリストとなる。
- 大阪体育大学大学院体育学博士課程に進み運動力学を研究しながら、自己が持つ日本記録を更新し続ける。
- 現在はスズキ浜松アスリートクラブに所属。
- 100 メートル(T42クラス)、200 メートル走 (T42クラス)、走幅跳(T42クラス)の日本記録保持者。
主な成績
2014 年 アジアパラ競技大会 100 メートル(T42クラス):1位(アジア新記録)、走り幅跳(T42/43/44):1位(大会新)
2013 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 走幅跳(T42クラス):1位
2011 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル(T42クラス):3 位、走幅跳( F42):3 位
2008 年 北京パラリンピック 走幅跳(F42/44):2 位
※ 上記のプロフィールは2015年現在のものです。
プレスの皆様へ
ランニグクリニックにご来場いただきましたメディアの皆様、ありがとうございました。
世界チャンピオン ポポフ選手による「ランニングクリニック(大腿切断者向け)」が日本ではじめて開催されました。
オットーボック・ジャパンは、日本パラ陸上競技連盟との共催でロンドンパラリンピックの金メダリスト(100メートル、T42片大腿切断クラス)、ハインリッヒ ポポフ選手を招き、8月21日から東京で3日間のランニングクリニックを開催しました。
今回は、日本パラ陸上界初の義足選手のメダリスト(北京パラリンピック、走幅跳の銀メダリスト)であり、男子100m、200m、走幅跳(クラスT42)の日本記録保持者である山本篤選手も参加し、ポポフ選手との抜群のコンビネーションで指導いただきました。
ポポフ選手によるランニングクリニックはアメリカ、ロシア、ブラジル、キューバ、中国など、世界各国で開催されています。参加者からは、「走れるようになって、再び家族や友人と共にスポーツやレクリエーションを楽しむことができるようになった」、「パラリンピックへの出場を目指す目標ができた」などの声が多数寄せられ、高く評価されています。
今回日本で初めて開催されたクリニックには、全くのランニング初心者から実際に競技に参加されているアスリートまで、様々な活動レベルの大腿切断者12名が参加しました。参加者は、再び走ることへの挑戦、自分のベストタイムの更新、パラリンピックへの出場の夢をかなえる、などを目標に、二人のメダリストのフレンドリーかつ熱意ある指導のもとに3日間のクリニックに臨みました。(詳細は本サイトのレポート、参加者の声、フォトギャラリーなどをご覧ください。)
プレスリリース
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2015/7/14 ランニングクリニック2015
ロンドンパラリンピックの金メダリスト、ハインリッヒ ポポフ選手が8月21日から東京で3日間のランニングクリニックを開催します。
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2015/7/21 義足なのにスポーツ」、それとも「義足だからスポーツ」?
ランニングのコーチ、ハインリッヒ ポポフ選手は「運動」や「動くことの楽しさ」を広めています。
ランニングクリニックの写真、データなどに関するお問合せ先:
オットーボック・ジャパン(株) 赤松、佐竹
TEL:03-3798-2113 / E-Mail: ottobock@ottobock.co.jp