ランニングクリニック2016
リオパラリンピック金・銀メダリストと一緒に走ろう !

2人のメダリストによる熱い指導と14人の参加者の最後まで頑張る姿にパワーをもらった3日間。ご参加・ご見学いただいた皆様に感謝申し上げます。

多くの下肢切断者の皆様にスポーツを体験し、走る喜びを感じる機会を持っていただけるように、今年もパラリンピックのメダリスト、ポポフ選手、山本選手を指導者に迎え「ランニングクリニック2016」を開催しました。2回目となる今年は、大腿切断の方ばかりではなく下腿切断の方を対象者に加え、総勢14名の皆様にご参加いただきました。

3日間の様子をビデオでご覧ください。

開催概要

開催概要

開催日: 2016 年11 月11 日(金曜日)~ 11月13 日(日曜日)
開催場所: 明海大学浦安キャンパス・陸上競技場 (千葉県浦安市) [www.meikai.ac.jp]

指導者:
ハインリッヒ ポポフ 選手
リオパラリンピック 走幅跳:クラスT42 金メダリスト
ロンドンパラリンピック100 メートル:クラスT42 金メダリスト、オットーボックアンバサダー
山本 篤 選手
リオパラリンピック 走幅跳:クラスT42 銀メダリスト、男子4X100mリレー:クラスT42-47銅メダリスト
北京パラリンピック 走幅跳:クラスT42/44 銀メダリスト、2015 年世界選手権 走幅跳:クラスT42 金メダリスト

主催:オットーボック・ジャパン株式会社
協賛:一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟 / 日本財団 パラリンピックサポートセンター
協力団体: 明海大学 / 株式会社アシックス
後援団体: ドイツ連邦共和国大使館 / 在日ドイツ商工会議所 / ポルシェ ジャパン株式会社

スポーツ・フォー・トゥモロー認定事業

ランニングクリニック2016 サマリー

ランニングクリニック2016 開催案内

Day 1 レポート&フォト

1日目:11月11日 (金)
目標の設定、スポーツ用義足の装着と調整、最初の一歩

午前:室内
1) オリエンテーション(講師からの話/クリニックの目的/ 自己紹介)
2) 個人目標の設定

午後:体育館
3) 参加者のソケットの状態、健康状態、切断原因と使用義足に関する確認
4) 義足の装着と調整、歩行訓練、バスケットボール

Day 1 AM レポート

初日の朝は生憎の雨模様の中、参加者の皆さんは大きな荷物を持ち、期待と不安を胸に、会場に集まってきました。いよいよオリエンテーションからスタート。皆さんの表情もまだまだ硬く、緊張しています。途中、ポポフ選手、山本選がリオで獲得した金銀銅の3つのメダルが会場に回され、手に取ったり音を比べてみたりなど、なんとも贅沢な体験もしていただきました。

Day 1 PM レポート

午後はスポーツ義足を装着し、一人ひとりアライメントを確認しながらの基礎練習です。初日は一切走りません。まずは義足に体重を乗せ、地面を蹴ることを意識しながら歩き続けます。その後、台車や壁を利用しながら、両脚の動きを身体に染み込ませて行きます。ゆっくりと歩くことで、義足側だけでなく健足の運びや上半身の使い方、重心の位置を、身体に刻むのです。

最後にはポポフ組と 山本組に分かれてバスケット対決。バスケをすることで、義足を意識せずに全身を動かすことができます。やればやるほど白熱!午後のみの運動でしたが、初日にして既に筋肉は悲鳴を上げています。

Day 2 レポート&フォト

2日目:11月12日 (土)
ランニングクリニック(基礎トレーニング、スポーツ用義足の使い方など)

午前:体育館
1) 基礎トレーニング

午後:陸上競技場
2) 楽しみながら義足になれる(サッカー)
3) ランニングの基礎(姿勢、義足の動かし方の修正)
4) ランニング(1000m持久走)

Day 2 AM レポート

最も過酷な1日は、体育館内での基礎復習から始まりました。1日目より力の入った、時に厳しい指導。3日間を通し、どんなトレーニングでも基礎は揺るぎません。ひとつでも忘れていると、すかさず指導が入ります。

一人ひとりの状態に合わせて的確に指導するために、本来は定員10名でクリニックを行います。今回は30名という多数のご応募があったため、定員オーバーの14名を見て貰うことになりましたが、指導の二人はほとんど休憩をもとらず、参加者の皆さんの動きを常にチェックしていました。恐るべき集中力と熱意に脱帽です。

Day 2 PM レポート

午後はグラウンドへ。素晴らしい青空のもと、ウォーミングアップのサッカーで汗を流した後、恐怖のスタビライゼーション(体幹訓練)。既に限界を超えているのではないかと思われる筋肉に更なる負荷がかかり、皆さん悲鳴を上げながら取り組みます。夕方になってやっと、ランニングらしいメニューが始まりました。歩幅をコントロールしながら繰り返し短距離を走り、少しずつ距離を長くしていきます。

何十回も往復し、もう今日はこれで終わりだろうと思われた頃、まさかの1Km持久走が始まりました。つらいはずなのに、途中で止まることなく走り続ける皆さんを夕日が照らし、薄いピンク色に染めます。見学者の声援が少しずつ大きくなり、最後の1周はグラウンドが感動と拍手で包まれました

Day 3 レポート&フォト

3日目:11月13日 (日)
ランニングトレーニングとまとめ

午前:陸上競技場
1) 本格的なランニングトレーニング

午後:室内
2) 3日間のまとめ、質疑応答
3) 修了式

Day 3 AM レポート

最終日も雲一つない澄んだ青空。最高気温20度のスポーツ日和となりました。
まずはサッカーでウォームアップ。昨日より明らかに上達している方が何名も。キックの音が重く大きく、軌道も低く速くなっています。ストレッチを経て、本格的な走行練習へ。2日間で身体に染み込ませた基礎を、走りへと昇華させます。

最後は全力の100m走。スピードはもちろんですが、叩き込まれた基礎の成果で、初日とは別人のような安定したフォームが美しい。そして、やはりポポフ選手は速かった!

Day 3 PM レポート

午後は3日間のまとめと修了式です。3日間を乗り切った14人の皆さんの笑顔はすがすがしく、達成感が溢れています。スタッフや見学者までがたくさんの感動をいただくことができました。

参加者の声

第2回目となる今回は、定員10名を遥かに上回る30名の応募があり、抽選の結果、最終的には14名の方ご参加いただくことになりました。
北は北海道から南は鹿児島まで、16歳から62歳までと広範囲の年齢層の参加者は、スポーツ義足の装着経験が全くない、または1~2年以内の経験者がほとんどでしたが、世界のトップレベルのアスリートから直接指導を受けられるという、またとない機会を最大限に生かしたいという期待に胸を膨らませて集まってきました。

前列左より:原﨑大作さん(鹿児島)、密谷季普さん(滋賀)、中村国一さん(愛知)、金野広幸さん(千葉)、佐野幸広さん(岩手)、片山浩司さん(北海道)、山本篤選手
後列左より:ポポフ選手、中村翔さん(鹿児島)、柳雅満さん(茨城)、中川清治さん(東京)、桑村雅治さん(大阪)、近藤秀さん(愛知)、吉田知樹さん(青森)、山上賢治さん(東京)小笠原智幸さん(岩手)

参加の動機(抜粋)

  • 今年産まれた息子を見た瞬間に、将来この子と一緒に走れるようになりたいと思った(中村翔さん
  • 今年の3月からマラソンを始めたので、フルマラソンやハーフマラソンで完走できるようになりたい(桑村雅治さん
  • 独学でスポーツをやっていたので、基本を学びたい(原﨑大作さん
  • 自分のレベルを知りたくて参加、100m走を13.50秒で走りたい(中村国一さん
  • 義足を理由に諦めることなく様々なことにチャレンジしたい(密谷季晋さん
  • 年齢的に最後のチャンスと思い参加、他の義足のユーザーとも仲良くなって情報交換したい(山上賢治さん
  • 家族全員で3Kmマラソンに挑戦したが、自分の記録が振るわず家族の合計タイムが悪かった。次はリベンジしたい。(片山浩司さん

参加してみての感想(抜粋)

柳雅満さん(62歳)
今回最年長参加となった柳さんは人並みの速度で歩けるようになりたい、と参加されましたが、早歩きどころか1km完走を成し遂げ、「No.1ファイターだ!」とポポフも絶賛。課題に黙々と取り組む姿は、みなのお手本でした。

参加しての感想:
今までいかに健足を使っていなかったかを知り、使い方が良く分かりました。まさかできると思っていなかったが、走ることができ、3日間があっという間でした。ピンポイントの指導が大変参考になりました。私のような超初心者にもきちんと指導してくださり、私の財産になりました。

吉田知樹さん(16歳)
最年少の吉田さんは陸上部に所属する高校生。持ち前の身体能力の高さと若さでみるみる成長し、3日目の走りは弾丸のようでした。将来が楽しみな逸材です!

参加しての感想:
義足を細かく扱う練習がとても良かったです。わかり易い指導で、とても参考になりました。今後の練習にも活かして、まだまだ速くなれるようにがんばります。

見学されたご家族の感想:
熱意ある一人一人への対応で、そのレベルにあった指導を行っているのに驚きました。良く見て下さり、声がけをしてくださった事が大変励みになりました。陸上競技を始めて半年になりますが、アドバイスをいただくことが少ないので、大変参考になりました。

中川清治さん(39歳)
背がすらりと高く男らしい中川清治さんはスノーボード種目で冬季パラに出場できるようになりたいという夢を持って参加。最初は表情が硬く、「ご満足いただけているのかな」と主催側も不安でしたが、最終日には満面の笑顔!「また参加したいですか」の解答欄には大きな花丸でお答えいただきました。

参加しての感想:
普段、いかに義足側を使っていなかったか知った。もっと義足側や歩く姿勢を意識していきたい。クリニックの内容は、期待以上に素晴らしく、指導も個々の欠点を瞬時に見抜き、的確なアドバイスを頂き、流石!!プロフェッショナルだと感じました。心から感謝申し上げます。

佐野幸広さん(33歳)
正しいフォームやトレーニング方法を習得し、将来は国際大会でメダルを取りたいという目標を掲げて参加した佐野さんは、ポポフ選手のご指名でお手本として実演する機会が多く、大活躍。普段から子供たちにサッカーを教えていらっしゃるとのことで、流石のボールさばき!これからも、クリニックでの経験を大いに活かしてくださることでしょう。

参加しての感想:
バスケットやサッカーの中での動きにも重要なことが含まれていると分かったので、子供たちと一緒に今後もサッカーをしてトレーニングしていきたい。モチベーションを上げてくれる指導により、最後まで充実したトレーニングができました。コーチングの勉強にもなりました。走ることの楽しさを教えていただき、ありがとうございました。

指導者プロフィール

ハインリッヒ ポポフ 選手

  • 9歳の時に骨肉種で大腿切断。切断前にドイツの義足のパラリンピアンから、切断しても再びスポーツをすることができると勇気づけられ、切断後もスポーツを続ける。
  • 現在は義肢装具士を目指して就学中。
  • ドイツ国内だけでなく、切断手術を控えている患者へのカウンセリング、学校の体育の授業に招かれたりと障がい者スポーツの啓蒙活動も行う。
  • オットーボックのアンバサダーとしてスポーツ義足の開発をサポートをしたり、ランニングクリニックの指導者として、各国を飛び回っている。
  • モットーは「立ち止まらずに前に踏み出すこと」

主な成績

2016 年 リオパラリンピック 走幅跳(T42クラス):1 位
2013 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル(T42クラス):1 位
2012 年 ロンドンパラリンピック 100 メートル(T42クラス):1 位
2011 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル(T42クラス):1 位、走幅跳:1 位
2008 年 北京パラリンピック 100 メートル(T42クラス):2 位
2004 年 アテネパラリンピック100 メートル(T42クラス):3 位

ポポフ選手のウェブサイトはこちらから


山本 篤 選手

プロフィール

  • 17 歳の時にバイク事故で大腿切断。日本聴能言語福祉学院で義肢装具士を目指して勉学中に、陸上競技に出会う。
  • 義肢装具士としての国家資格を取得後も、パラリンピックを目標に陸上競技を続けることを決め、大阪体育大学体育学部に入学。
  • 北京パラリンピックにて走り幅跳びで銀メダルを獲得し、日本パラリンピック陸上界の義足選手初のメダリストとなる。
  • 大阪体育大学大学院体育学博士課程に進み運動力学を研究しながら、自己が持つ日本記録を更新し続ける。
  • 現在はスズキ浜松アスリートクラブに所属。
  • 100 メートル(T42クラス)、200 メートル (T42クラス)、走幅跳(T42クラス)の日本記録保持者。

主な成績

2016 年 リオパラリンピック 走幅跳(T42クラス):2位、男子4X100mリレー(クラスT42-47):3位
2015 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 走幅跳(T42クラス):1位
2014 年 アジアパラ競技大会 100 メートル(T42クラス):1位(アジア新記録)、走幅跳(T42クラス):1位(大会新)
2013 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 走幅跳(T42クラス):1位
2011 年 IPC 陸上競技世界選手権大会 100 メートル:3 位、走幅跳:3 位
2008 年 北京パラリンピック 走幅跳:2 位

山本選手のウェブサイトはこちらから


小学校イベント/概要

パラリンピック金メダリストと一緒に“かけっこ”

ランニングクリニック2016の前日、オリンピック・パラリンピック教育推進校である文京区立大塚小学校において、今回のクリニックの指導にあたるハインリッヒ ポポフ選手が児童といっしょに“かけっこ”をするイベントを開催しました。

このイベントを通し、次世代を担う子供たちに

  • 初めて見る義足のことを知ってもらう
  • 義足ランナーと“かけっこ”して、何かを感じてもらう
  • 障がい者と健常者は何が違うのかを考えてもらう

といったことを体験してもらい、障がい者と障がい者スポーツへの理解を深め、健常者と障がい者の共生(社会)を肌で感じてもらうことができたのではないかと思います。

開催概要

開催日:11月10日(木)
開催場所:文京区立大塚小学校 東京都文京区大塚4-1-7
スケジュール:
09:45~10:25 ポポフ選手講演「立ち止まらない勇気の大切さ」(体育館:全学年児童対象)
10:40~11:40 パラリンピアンとかけっこ教室 (運動場:3・4年児童対象)
11:55~12:25 ポポフ選手と給食を食べよう (教室:4年児童対象)

主催:オットーボック・ジャパン株式会社
協力:文京区立大塚小学校、大塚小学校地域支援本部
スポーツ フォー トゥモロー認定事業

文京区民チャンネルYouTubeで紹介されました。

ポポフ選手と一緒にかけっこ サマリー

2016/10/21 小学校イベント 金メダリストといっしょにかけっこ

小学校イベント/レポート

講演「立ち止まらない勇気の大切さ」(全学年児童)

150名の全校児童と父兄関係者の盛大な拍手の中、ポポフ選手は体育館に迎えられました。先生がメジャーを取り出しポポフ選手がリオで飛んだ6.7mを再現すると、小学生にとってはこの距離がとてつもなく長く映ったのか、驚きと拍手の渦が体育館に響き渡りました。

ポポフ選手は、骨肉腫を発症し9歳で左脚を切断後、スポーツを取り入れたリハビリを続けた自らの体験を交え、「脚がなくても努力すればパラリンピックのメダリストにもなれる。」「勇気を持っていつも笑顔で前に向かっていくんだ。」「人生には辛いこともあるけど、笑顔でいることが大事。大人の言うことをよく聞き、お互い助け合い、素晴らしい人になってほしい。」などと語りかけました。

講演の途中で、日常生活用義足からスポーツ用義足に履き替える場面もあり、初めて義足を目の当たりにした子供達は体を乗り出して見ていました。

その後、3年4年の児童52人を対象に運動場で体育の授業が行われ、ポポフ選手とトレーニングやかけっこをしました。

パラリンピアンとかけっこ教室 (3・4年児童)/給食(4年児童)

講演が終了した後、3年4年の児童52人を対象に運動場でポポフ選手とともに体育の授業が行われ、ポポフ選手が日常的に行っているトレーニングを体験したり、一緒にかけっこをしました。

かけっこが終わるとお昼の時間、4年生の児童と一緒に給食です。給食の時間中に、子供達が日ごろ練習しているやっちょれソーラン(鳴子踊り)を披露してくれました。

この一日を通し、ポポフ選手は自らの体験から「あきらめずに笑顔でいることの大切さ」や「親や先生が言っていることをしっかり聞いて行動することの大切さ」を児童に伝え、それらの言葉は共感や感銘とともに児童の心にしっかりと刻まれました。

プレスリリース

ランニングクリニック2016、小学校プログラムを取材いただきましたメディアの皆様、誠にありがとうございました。

プレスリリース

2016/10/21 ランニングクリニック2016

2016/10/21 小学校イベント 金メダリストといっしょにかけっこ


一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟 公式ウェブサイト

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ポルシェ ジャパン株式会社 公式ウェブサイト

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ドイツ連邦共和国大使館 公式ウェブサイト

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SPORT FOR TOMORROW は、2020年に行われる夏季オリンピック・パラリンピック競技大会を東京に招致する際、IOC総会において安倍晋三首相が発表したことをきっかけに始まった日本政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業です。2014年から2020年までの7年間で、開発途上国をはじめとする100カ国以上・1000万人以上を対象としたあらゆる世代の人々にスポーツの価値を広げていく取組みです。

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